「印刷」にちょっと触れてみよう! 印刷の基礎知識

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3. 作業環境に関する要求事項

印刷会社・工場というと「ごちゃごちゃしている」「インキや機械油で汚れている」といったイメージがあるかもしれませんが、このような作業環境では医療医薬品・食品向け印刷物を製造することは許されません。

よく言われる「5S活動」が徹底されていることはもちろんのこととして、医療医薬品・食品向けに限らず市場回収につながる致命的な3大事故「虫」「毛髪・体毛」「血液」の付着・混入をハード面・ソフト面からいかに防ぐかにすべての精力が注がれると言っても過言ではありません。

虫の付着は致命欠点! あなたが買った塗り薬のパッケージに誰のか分からない血液が付着していたらどう思いますか。アイスクリームのフタをよく見たら潰れたハエが刷り込まれていたら怒り狂って「どんな管理をしているんだ!」とクレームをつけますよね。

ここでは、作業環境に関する要求事項の中から重要と思われるものを取上げ、可能な限り具体的な内容で話を進めていきたいと思います。

3.1 虫の付着・混入を防ぐ!

防虫対策はハード面・ソフト面の両方からのアプローチが重要です。原材料(用紙・インキ)の搬入、製造工程、検査、出荷、人の出入など、すべての工程・移動経路、建物構造の特徴・欠陥などを把握した上での対策検討が要求されます。

a) 作業場内に虫を入れない!

− 作業場内は陽圧を保ち、外気の直接流入を阻止!

作業場内が陰圧(外気より気圧が低い状態)ですと、どうしてもあらゆる隙間から外気が流入してしまいます。そのときにユスリカやショウジョウバエなどの飛翔昆虫も一緒に吸い込まれてしまいますので、少なくとも外気と同じ気圧を保つことが必要です。また、換気扇やダクトは目の細かいメッシュ(女性用ストッキングなど)でコーキングし、虫の吸入を防ぎましょう。

− 蛍光灯には紫外線カットタイプを使用!

蛍光灯は紫外線カットタイプへ! 虫には紫外線に誘引されるという性質があります。夜、蛍光灯の光を外に漏らしながら作業をしていると蛍光灯から発せられる紫外線によって虫が引き寄せられてしまいます。作業場内で使用する蛍光灯は紫外線カットタイプにすることをオススメします。加えて、印刷現場ということを考慮しますと紫外線カットの他に飛散防止(割れても破片が飛び散りにくい)、昼光色(印刷基準光源5,000Kに近い)の性能を備えたものがよりオススメです(約\2,200/本)。

− 作業場の入口前に前室を設置!

前室に防虫ファンを設置すると効果的! 作業場に入る前にワンクッション設けることによって虫の流入をかなり防ぐことができます。可能ならばこの前室に防虫・殺虫ファン(アース環境サービス(株)対応可)を設置することでさらなる効果が期待できます(約\3,000/個・月−メンテナンス付き)。

− シャッターを自動化およびインターロック化!

シャッターは自動化およびインターロック化! 人の出入口や資材などの搬入出口には前室を設け、シャッターやドアを自動化およびインターロック化(一方のシャッターが開いているとき、もう片方のシャッターは開かない)することで、外と作業場内が通々になってしまうことを防ぎます。

− 人・物の出入口にはエアーシャワーを設置!

主要な出入口にはエアーシャワーを! 今やエアーシャワーを設置することは工場として常識になりつつあります。人・物の流れを把握して効果的な設置をすることが求められます。エアーシャワー(アース環境サービス(株)対応可)にもさまざまな種類があり、エアーと同時に靴底を洗ったり、手を洗ったり、除電できるタイプも登場しています(\180万〜/台)。

− 開放系の配管は目の細かいメッシュなどでコーキング!

作業場内にぱっくり口の開いた配管はありませんか。そこから飛翔昆虫が次々と入り込んでくる危険性があります。目の細かいメッシュ(女性用ストッキングなど)でしっかりとコーキングしておきましょう。

− 窓の隙間はパテなどで埋める!

窓の隙間はパテなどで埋めよう! 工場の無窓化が進んでいますが、作業場内に窓がある場合は消防法で定められているものを除いて〆切りとし、隙間はパテなどでしっかりとコーキングしておきましょう。とくに作業場内が陰圧の場合はこのような隙間からも虫が入り込んできますよ。

− 木製パレットは作業場内に入れない!

木製パレットは防虫対策の天敵! 木製パレットには虫が付着しやすく、作業場内に入れるのは非常に危険です。原紙メーカーは移動のために木製パレットを使用していますが、原紙を作業場内に搬入する際はプラスチック製パレットに積み替えるなどの措置が必要です。

プラスチック製パレットの導入を! また、木製パレットには別の問題が潜んでいます。木材の防腐剤として使用される「T.B.A」という化学物質は異臭という問題を引き起こします。これに対しては食品メーカー(とくにペットボトルを使う飲料関係)が過敏に警戒しており、この点からもプラスチック製パレット化の推進が望まれます。

− あらゆる出入口のドアの開放厳禁!

ドアの開放厳禁の周知徹底を推進しよう! どれだけインフラ面を強化しても従業員が作業場のドアを開けっぱなしにしていてはすべてが水泡です。従業員への周知徹底、ドアへの開放厳禁シール貼付、定期的な監視を推進し、それでもダメな場合はドアの半自動化などの措置を検討しましょう。

b) 作業場内で虫を発生させない!

− 流し台・トイレなどの水周りは常に清潔を保つ!

水周りはとくに力を入れて清潔にしよう! 水周りの清掃は誰がどの頻度でどのようにやるか決まっていますか。使いっぱなしにしていると汚れた水や油に産み付けられた虫の卵が孵化して場内発生を引き起こしてしまいます。また、見た目にも不潔感が漂いよくありません。

− 清掃用具はしっかりと乾かしてきれいに!

清掃用具の整理・整頓も非常に大切! ホウキやモップを使い終わった後はきれいにしてから片付けましょう。とくに水モップはしっかりと水洗いして乾かさないと虫の発生源になってしまいます。

− 作業場内には極力隙間を作らない!

隙間をなるべく作らない配置を! 作業場のスペースにもよりますが可能な限り隙間を作らない工夫をしましょう。隙間はホコリが溜まりやすく、また清掃の手もなかなか行き届きませんから、虫の発生源になってしまう危険性があります。

− 不要・不使用・メンテナンス不足の空調設備などの撤去!

稼動していない空調設備の中はホコリが堆積しており、虫が棲息・繁殖するには絶好の環境になっています。使わない空調設備などを撤去することによって虫の発生要因を減らすことができるほか、新たなスペース確保や無駄な経費削減につながるかもしれません。

− 作業場内で飲食・喫煙をしない!

吸殻は作業場内にありませんよね? これはもう当然と言ってもいいことです。これを許している印刷会社には医療医薬品・食品向け印刷物を製造する資格はありません。しかし、「何が何でもすべてダメ!」では従業員も仕事をする気がなくなってしまいますから、ちゃんと休憩所を作業場の外に設置しましょう。

また、作業場の外であっても空缶や吸殻入れ、食べ残し用のゴミ箱はフタ付きのものを使用し、定期的に処分・清掃・除菌をしてそこからの虫の発生を防ぐ対策を施しておきましょう。

c) その他

− 専門業者による定期メンテナンス!

専門業者による各種メンテナンス記録 防虫専門業者と定期メンテナンス契約を行い、捕虫トラップ、捕虫・殺虫灯の設置、薬剤散布などを行ってもらうことも非常に有効です。防虫対策のスペシャリストとしてはアース環境サービス(株)が有名で、さまざまなサービスを提供しています。

とは言え、「すべてお任せ!」にしてはいけません。捕虫状況、メンテナンスの効果、追加すべき処置がないかどうかを自ら分析・検証し、作業環境の改善を進めていかなければ、ただ単にやっているだけになってしまいます。得意先に対して「うちは○○業者を使って防虫対策をやっているから大丈夫ですよ!」と言ったところで「じゃあ、あなたたちとしては何をやっているんですか?」と切り返されるのがオチです。

防虫対策の方向性と目標、それを実行する上で自分たちとしては何をするのか、どの部分を専門業者にやってもらうのか、そういったプランニングが極めて重要だということです。

それからこれは補足になりますが、場内外で薬剤散布を実施してもらう場合、使用される薬剤は通常、残効性を有するので製品(印刷物)への悪影響がないのかどうかについてあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

− 全従業員に対する防虫講習会の実施!

従業員の防虫に対する意識向上も重要! 防虫対策は、何と言っても従業員ひとりひとりの意識向上と実行が成功のカギを握ります。どれだけインフラ面を強化したところで従業員の防虫に対する意識が低ければ猫に小判です。また、1人でも防虫対策に反する行為をすればみんなの努力が一瞬にして水泡となってしまう側面があります。そういう意味ではハード対策よりむしろソフト対策のほうが重要と言えるでしょう。

3.2 毛髪・体毛の付着・混入を防ぐ!

人は1日当たり50〜70本もの毛が抜けていると言われています。だからと言って「人が作業をしている以上、毛の1本や2本ぐらい入っても仕方がない!」と得意先に言える状況ではもはやありません。逆に「従業員は全員ツルっぱげにしろ!全身脱毛だ!」と言うわけにもいきませんから、ハード面・ソフト面から可能な範囲で対策を講じていくことになります。人が作業を行っている以上、医薬メーカーにおいてさえもまったくゼロにすることは極めて難しいと言われていますから、永遠の課題だと言っても過言ではありません。

a) 作業場内に毛髪・体毛を入れない!

− 作業場へはエアーシャワーを通過しないと入れない!

1.3.1でも出てきましたが、エアーシャワーの設置は常識的になりつつあります。さまざまなタイプ・サイズがありますから適切なものを選んで設置してください。ただし、作業服の繊維に絡み付いた毛を吹き飛ばすことはできません。つまり、エアーシャワーと言えども万能ではないということを認識しておく必要があります。

− 作業場へ入る前の粘着ローラー掛け!

粘着ローラー掛けは作業場入室時の標準です! 粘着ローラー掛けの実施は各社で行われており、原始的な方法ではありますがその効果は高いと言われています。3〜5人ごとに1枚剥すというのが一般的なようです。自分でやるのではなく相互にやることによって掛け残しを防ぐことができ、掛け方を手順化しておくというのも効果的でしょう。しかし、粘着ローラー掛けは監視員を立ててしっかりと徹底しないとすぐにやらなくなってしまう、継続実施が非常に難しい対策です。

また、剥した粘着シートには何が付着しているかを分析することで今後の対策強化につなげることができます。

− 入室前に毛髪を十分落しておく!

更衣室などでブラッシングして抜けかかっている毛髪をあらかじめ落としておくことで、作業場内での毛髪落下の危険性を減らすことができます。

− 作業服は袖口・足首部分がゴムなどで締まっている!

印刷業と言っても作業服の選定は重要項目! 主に体毛が抜け落ちても作業場内には落下させないための対策です。上着の下部分がズボンの中に入っている(またはインナータイプ)となおよいでしょう。そのような作業服になっていない場合は、ゴムバンドで袖口・足首を締めるという方法でもよいと思います。

アース環境サービス(株)では作業服のレンタルサービスも行っています。洗濯・クリーニング・簡単な補修もサービスに含まれているので便利かもしれません。作業服のタイプ・カラーも各種そろっています。とくに印刷現場ではインキや油で作業服が汚れやすいですから、濃い目の色の作業服を選択するとよいのではないでしょうか。

− 帽子はあごまで覆われる頭巾タイプを使用!

毛髪・あごひげが抜け落ちても作業場内に落下させないための対策です。可能ならばインナーキャップとして電石帽(磁力で毛髪を吸い付ける)を被るのもよいでしょう。さらに言えば、網が首から肩にかけて作業服の中に入れ込めるタイプが望ましいですね。

− 作業場入口前に姿見(鏡)を置いて服装チェック!

作業場入室前にしっかりと服装チェック! 作業服、帽子は決められたとおりしっかりと着用していなければ何の意味もありません。入口前に姿見(鏡)を置いて入室前に服装をチェックできるようにしておくとよいでしょう。これも習慣付けが必要です。

− 服装・入室にかかわる規則を整備し、周知させる!

要所に掲示をして周知徹底しよう! 以上で述べてきたことはすべて手順化および文書化し、関連する従業員に教育・訓練して実施している状態にしておかなければなりません。このようなことも手順化・文書化および教育・訓練の対象となることを認識しておいてください。

b) 落下した毛髪・体毛を製品に付着・混入させない!

− 作業場内の定期的な清掃!

クイックルワイパーなどの化学雑巾あるいは水モップを使ってホコリが舞い上がらないように清掃します。清掃の頻度・場所・担当者・実施方法を手順として定め、文書化し、実施してください。

某医薬メーカーから清掃の2つの意味を教えていただきました。

・ 作業場をきれいにする。
・ 作業場内に何が落ちているか把握・分析し、対策強化につなげる。

この中で重要なのは2つ目です。きれいにするだけではいつまで経っても現状維持にしかなりません。いつ、どのような状況下で、どのようなゴミ(毛髪・体毛)が多いのか、を把握・分析することで次の1手を打つことが可能になるというお話を伺いました。

− 工程内検査・出荷検査で付着・混入がないかどうかチェック!

毛髪・体毛の付着・混入を検査項目に含めることで、次工程あるいは得意先へ問題なく移動・出荷できるかどうかのチェックをすることができます。外観のチェックがメインになると思いますのであまり信頼性があるとは言えませんが、やらないよりはやったほうがよいでしょう。

毛髪・体毛の付着・混入防止対策も全従業員がその重要性を理解して積極的に実施することがとても重要です。画期的なハード対策はほとんどなく、ソフト面の強化がカギを握っています。つまり、今のところ、完全な防止対策はないということが言えるでしょう。

3.3 血液の付着・混入を防ぐ!

血液の付着・混入は、ウイルスやその他の病気の感染など、人命にかかわる問題につながりかねない非常に怖い事故です。市場で発見されれば全数市場回収、関連製造設備・工程の停止・原因調査など、経営にかかわるリスクも伴います。

− 作業者の出血有無の点検・管理!

出血点検は作業場内での必須項目! 印刷物を扱う作業は非常に手を切りやすく、出血の危険性が高い作業です。このような状況の中で、作業者の出血有無を点検することは必須になりつつあります。作業前・作業中・作業後の出血点検とその記録を手順化・文書化して実施しましょう。出血点検は自己点検ではなく、相互点検とすることもポイントです。

青色が特徴の工場専用バンソウコウ「ブルーバンテージ」 工場・作業場専用のバンソウコウとしては、「ブルーバンテージ」(\1,800/1ケース200枚入り)という市販されていない青色の特徴的なバンソウコウがミドリ安全(株)より販売されています。このバンソウコウには金属粉が練り込まれているので、万が一、このバンソウコウが製品に混入してしまっても金属探知機を通せば発見できるようになっています。作業場内ではバンソウコウの数量管理(使用枚数・回収枚数・在庫枚数)も必須です。

出血点検時に出血が確認された場合は、それまでの製品の次工程渡し・出荷を停止し、状況に応じて抜取りあるいは全数検査を実施するなどの処置対応も必要です。出血がひどい場合には指サックをするかあるいは作業から外れてもらうなどの処置をとりましょう。

− 必要に応じて手袋の着用!

包装・梱包などのとくに手を切りやすい作業では、手袋を着用するなどの処置をとる必要があるかもしれません。

− 作業中にむやみやたらと顔を触らない!

ニキビやひげそり跡による血液、膿、汗などの付着があり得ます。あまりにもニキビやひげそり跡がひどく、顔を手で触る癖がある作業者は作業から外れてもらうなどの処置が必要になるかもしれません。

− 赤い印鑑・朱肉の使用は控える!

赤い印鑑は血液付着と間違えられてしまいます! 赤いインクや朱肉が製品に付着すると血液と勘違いされてしまう危険性があります。某医薬メーカーから「印刷ロールの紙管に貼っているラベルに赤印鑑を押さないようにしてもらえないか」と言われたことがあり、かなり神経質になっているようです。黒いインクを使用するなどの対策が必要です。

血液の付着・混入についてもほとんどソフト対策です。全従業員への継続的な周知徹底と監視が必要です。

3.4 その他

a) 異物・ホコリなどの付着・混入を防ぐ!

1.3.1〜1.3.3で述べてきたことも異物・ホコリなどの付着・混入対策につながりますが、ここではその他の対策例をまとめます。

− 適所への集塵装置の設置と定期的な塵埃測定の実施!

とくに抜きや断裁などの工程では紙粉が舞い上がり、製品にも作業者にも悪影響を及ぼします。必要に応じて集塵装置などを設置しましょう。また、定期的に塵埃測定(アース環境サービス(株)でも対応可)を実施して作業場内の塵埃の状況を把握しておきましょう。

− 台車・ハンドリフトの場内用/場外用の区分!

外で使っている台車・ハンドリフトをそのまま作業場内に持ち込むと異物・ホコリ・虫なども一緒に持ち込んでしまうことになります。場内用/場外用を区分して使用することによってこのような危険性を減らすことができます。

− 作業場入口前に粘着マットの設置!

作業者の出入口には粘着マットを設置! 靴底に着いたゴミやホコリを粘着マットで取除きます。靴底が汚れ過ぎていると粘着マットがすぐにダメになってしまいますから、粘着マットの前にもう1つダスキンマットなどを敷いておくと粘着マットが長持ちします(粘着マットは意外と高価なので無駄にはできません)。粘着力がなくなる前に取替える手順を決めておくことが当然必要です。

− 上履き・外履きの履き替え!

上履き・外履きの履き替えをしっかりと! 作業場内専用の上履きと外履きは区別して履き替えるという手順を決めて運用しましょう。そのとき、下駄箱周辺にできやすいグレーゾーン(上履きと外履きが交じり合うスペース)をいかにしてなくすかが問題となります。また、下駄箱も2段にして上段は上履き用、下段は外履き用として中で区別できるようにしておきましょう。

− 作業服の中に着る服や下着に注意!

寒いからと言って作業服の中に起毛タイプの服や下着を着ると、そこから生じる毛クズが作業場内に舞い上がってホコリとなってしまう可能性があります。作業場内の温湿度管理を行うことにより作業服の中に起毛タイプの服・下着を着る必要がないようにしましょう。

− 洗剤関係は粉末タイプから液体タイプへ!

粉末タイプの洗剤は飛散して製品や製造設備などに付着・混入する危険性がありますので、液体タイプに変更することをオススメします。

b) 私物・不要物を作業場内に持ち込まない!

− 作業で使用する筆記用具・備品は会社が支給!

個人でバラバラに持っている筆記用具は使用禁止! 作業者が個人個人で準備した筆記用具・備品は作業では使用しない、作業場内には持ち込まないようにしましょう。これらは会社として統一したものを準備・支給し、管理番号などで配付状態を管理しておきましょう。

ボールペンはキャップがないタイプを使用し、可能ならばひもで結わえてどこかに行ってしまわないようにしておくとよいでしょう。ホチキス(ハリタイプ)とゼムクリップ、シャープペンは異物混入の原因となりますので原則として使用禁止です。ホチキスはハリなしタイプが出ていますのでご検討ください。

− 装飾品・貴重品の管理の強化!

社員ロッカーのセキュリティを高め、装飾品・貴重品を含む私物を安心してロッカーの中に置いておける環境を整える、あるいは作業場内に入室する前に責任者が預かる仕組みを整える、などによって私物・不要物を作業場内に持ち込まずに済むようにしましょう。

装飾品・貴重品の管理については、とくに女性従業員の同意が必要になってくるケースがありますから、十分に話し合った上で問題点を解決し、お互いに納得しておく必要があります。

c) 微生物、清潔状態を維持・管理する!

− 作業場へ入室する前に十分な手洗いを!

作業場へ入室する前に石けんで十分手洗いをするよう手順化しておきましょう。手洗いは手のひら・甲、爪、指の間など30秒以上かけて洗わないと手洗いしたことにはなりません。また、冬場などは水が冷たいため手洗いが十分でなかったり省いてしまったりする可能性があります。水とお湯が出るようにしておくとそのようなことを防ぐことができます。手洗い後はエアータオルでしっかりと乾燥させるようにしましょう。

− 体・毛髪は清潔に!

これは言うまでもないことですが、毎日きれいに洗って清潔を保つようにしましょう。また、このことによって抜けかかっている毛を洗い流すことにもつながります。

− 製品には素手で必要以上に触れない!

とくに印刷物の加工・検査は手袋をしてはできない作業が多くありますから、意識的に素手で製品に触れないようにする必要があります。製品に素手で触れますとどうしても脂や指紋が着いてしまい、得意先に不愉快な思いをさせてしまう可能性があります。従業員への周知徹底、あるいは製造工程の工夫により製品に直接素手で触れる機会を減らすようにしましょう。

3.5 理想的な工場レイアウトとインフラ

(将来的にここに図と解説が入る予定です)

医療医薬品・食品向け印刷物に求められる管理、作業環境

 1. はじめに・・・

 2. 品質管理に関する要求事項

 3. 作業環境に関する要求事項

 4. さいごに・・・

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