「印刷」にちょっと触れてみよう! 印刷の基礎知識

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◆ 関連リンク
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- 東京都印刷工業組合
- 大日本印刷(株)
- 凸版印刷(株)
- リンテック(株)
- 王子製紙(株)
- 大日本インキ化学工業
- 東洋インキ製造(株)

◆ インキと環境問題...

近年の環境問題および環境保全への意識の高まりから、環境に対応したインキが各メーカーから出されています。 そのような流れの中で登場した環境対応型インキの1つに「大豆油インキ(Soi Ink)」があります。

まず、従来よりある油性インキには、

・ 鉱物油にVOC(揮発性有機溶剤)が含有されている
・ 樹脂内に環境ホルモン(内分泌撹乱物質:パラオクチルフェノール、ビスフェノールAなど)が含有されている
・ 鉱物油に重金属(マンガン、コバルトなど)が含有されている

などの環境に悪影響を及ぼす問題があります。

それでは、「大豆油インキ」はどうでしょうか。一番の特徴としては、

・ VOC(揮発性有機溶剤)が含有されていない

ことが挙げられます。しかしながら、従来からの油性インキの問題点である「環境ホルモン」「重金属」の問題は解決されていません。

油性インキではなくUVインキのほうはどうでしょうか。UVインキには、「VOC」も「環境ホルモン」も「重金属」も含まれていません。 つまり、環境という側面から見てみますとUVインキは優等生なのです。

それならば、UVインキを使うようにすれば環境問題は解決する!と言いたいところなのですが、実は問題があるのです。

UVインキは、紙のリサイクルという側面から考えてみますと脱墨性が悪く(色が落ちにくい)、油性インキに比べ、脱墨のために相当量の水を使用しなければならないという欠点も持ち合わせているのです。

また、印刷においても油性インキのほうが刷色が鮮やかに再現される(刷色という面でUVインキは油性インキに劣る)ため、UVインキに一斉に切り替えることは難しいのです。

このように、環境問題に取組むと一言で言ってもそれは非常に難しいことであり、環境保全を重視するあまりに印刷品質を落としてしまうという可能性も十分あり得るので、バランスの取れた改善策が必要となってきます。

なお、インキをUV化することによる環境上のメリットには次のようなことが挙げられます。

・ インキ乾燥に伴う溶剤、排ガス(炭酸ガス)が発生しない。また、そのために処理設備も不要で、省エネルギーにつながる。
・ 油性インキに必要とされるパウダーが不要で印刷環境が汚染されない。裏付き防止の板取り作業が不要となるため労働負荷・人員の低減につながり、また、後工程・加工がすぐに可能なため、保管のためのスペースが不要。
・ 紫外線が当たらなければ硬化しないため皮張りせず、皮張りによる廃棄量の低減、ヒッキーの低減によるヤレの削減に結びつく。

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