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シール・ラベルの印刷加工では、抜きとカス取り工程が印刷に次ぐ重要な要素となっており、ほとんどの印刷機に組み込まれています。
抜きには、平らなベニヤ板や塩ビ板・ベークライトなどの素材に抜き刃を埋め込んだ「平抜き:フラットベットダイ」、シリンダーに刃を組み込んだ「円筒抜き:ロータリーダイ」があります。
▼平抜き
・ ゼンマイ刃
・ 刃先は両刃、片刃など
・ ベニヤ、塩ビ板に鋼板を埋め込んだもの
平抜きの機構
▼円筒抜き(1)
・ 彫刻刃
・ 刃先はシャープ
円筒抜き(1)の機構
▼円筒抜き(2)
・ 腐食刃(エッチング刃)
・ マグネットシリンダーと併用して使用する。
円筒抜き(2)の機構
▼抜き刃の種類と比較
抜き刃の種類には、帯状の鋼の両側に刃をつけた「ゼンマイ刃」(刃の深さによってトムソン刃とも呼ばれる)と、金属の塊から刃と土台の部分を削り分けた「彫刻刃」、金属の板の表面を溶かし出して刃を作り出す「腐食刃(エッチング刃)」とがあります。
刃型の種類
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刃の種類
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長所
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注意点
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平抜き
(フラット)
少量多品種に向く
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ゼンマイ刃
トムソン刃
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・価格が安価
・交換が容易
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・継ぎ目が仕上げに影響する場合がある
・刃型の凹凸に対するムラ取り作業が必要
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彫刻刃
(NC彫刻刃、チタン刃など)
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・ハーフカット精度がよい
・寿命が長い
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・イニシャルコストは高い
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腐食刃
(フレキシブルダイ)
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・複雑な形状でも可能
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・彫刻刃よりも寿命は短い
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円筒抜き
(ロータリー)
大量生産に向く
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彫刻刃
(ダイカットロール)
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・堅牢、精密で安定
・高速抜き加工が可能
・寿命が長い
・再研磨が可能(4〜6回程度)
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・イニシャルコストは高い
・原紙(剥離紙)の厚さに合わせる必要がある
・厚みが違う剥離紙との共用はできない
・クラッシュカット(髭)が出る場合がある
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腐食刃
(マグネットシリンダーとの併用)
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・複雑な形状が可能
・交換が容易
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・彫刻刃よりも寿命は短い
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