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◆ ISO 9001規格の概要説明

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4.2.1 一般

 品質マネジメントシステムの文書には、次の事項を含めること。

a) 文書化した、品質方針及び品質目標の表明
b) 品質マニュアル
c) この規格が要求する“文書化された手順”
d) 組織内のプロセスの効果的な計画、運用及び管理を確実に実施するために、組織が必要と判断した文書
e) この規格が要求する記録

(参考1.)
この規格で“文書化された手順”という用語を使う場合には、その手順が確立され、文書化され、実施され、かつ、維持されていることを意味する。

(参考2.)
品質マネジメントシステムの文書化の程度は、次の理由から組織によって異なることがある。

a) 組織の規模及び活動の種類
b) プロセス及びそれらの相互関係の複雑さ
c) 要員の力量

(参考3.)
文書の様式及び媒体の種類はどのようなものでもよい。

1. 品質マネジメントシステムで必要とされる文書

この条項では、品質マネジメントシステムで必要とされる文書が定められています。

文書:
品質マネジメントシステムの効果的な実施のために必要な決め事を記述したもの

a)、b)から分かるように、「品質方針」「品質目標」「品質マニュアル」も文書管理の対象であることが明確にされています。とくに、「品質方針」「品質目標」を掲示板などの書き物にしている場合は注意が必要で、これらの掲示板も文書管理の対象となります。

c)の「この規格が要求する“文書化された手順”」には、次の6つが規定されています。

・ 文書管理(4.2.3
・ 記録の管理(4.2.4
・ 内部監査(8.2.2
・ 不適合製品の管理(8.3
・ 是正処置(8.5.2
・ 予防処置(8.5.3

これらについては別冊という形で手順書にしてもよいですし、品質マニュアルの中に含めてしまっても構わないでしょう。

d)は、a)〜c)以外で組織が必要と判断した文書は作りなさいという要求です。 94年版では文書化しなければならない項目が詳細に決められていましたが、2000年版では組織として必要な文書とは何かを判断しなければならなくなりました。 必要性を判断するための考え方の糸口としては、

・ 指揮、命令や周知・徹底のための情報の伝達
・ 知識、ノウハウの標準化
・ 記録を中心とした証拠性

が挙げられます。 必要な文書の例としては、

・ 品質計画書
・ 仕様書
・ 業務指針・社内規定
・ 手順書・作業指導書、図面
・ 規格・基準・条例・法令
・ 帳票・記録の様式(書式・フォーマット)

などがあり得るでしょう。 また、ここを逆に考えてみると、必要でないと判断した文書はムリに作らなくてもよいということになり、文書量の削減につなげられる可能性があります。 必要でないと判断する基準は、参考2.を踏まえて考えてみると、

「そのプロセスに携わる従業員に手順・方法・判断基準を聞いてみて、全員が同じように理解できていること」

つまり、

「そのプロセスの求める結果は何で、そのために何をどうすればよいのか、手順・方法・判断基準が分かっていること」

となるでしょうか・・・。これは参考2.a)〜c)にあるように規模や事業内容、作業およびそれぞれのつながり・流れの複雑さ、その作業に携わる従業員の力量を十分に把握した上で判断しなければならないものです。確立した手順を手順書という形にする必要があるのかどうか、しっかり判断しましょう。

e)は、記録は文書の一種であるという考え方からこの項で述べられていますが、記録そのものの管理については「4.2.4 記録の管理」に定められています。

なお、参考3.には、文書は形にとらわれないことの旨が述べられています。たとえば、絵、写真、ビデオ、限度見本、マスターサンプルなども文書です。これら(紙に文字が書かれている形態以外のもの)を仕事の中で使っていれば、しっかり文書管理の対象に入れなければいけないのですね。

2. 不適合・改善要望事例

不適合・改善要望事例規格要求事項
審査登録規則を外部文書に位置付けることを検討してください。 審査は規格要求事項のみならず、審査登録規則にも基づいて行われる。受審組織としても審査登録規則を十分理解し、文書として管理しなければならないが管理対象(外部文書)としていなかった。

★ヤッスー部長より一言★

94年版では規格のほぼすべての条項で“文書化された手順”が要求され、莫大な量の文書を作らなければなりませんでしたが、逆に「文書さえちゃんと準備しておけば大丈夫!」という風潮も一部にはあったように思います。 しかし、2000年版ではその数が大幅に削減され、「必要だと思うなら“文書化された手順”を準備しておきなさい」というスタンスに変わってきています。

文書の必要性を自分たちで判断しなければならないので、これは一見すると楽になったように感じますが、実は非常に難しいことです。作れと言われたから作るというほうがよっぽど楽なことではないでしょうか・・・。

手順の必要性を評価、策定し、さらに必要な場合にはそれを手順書や指導書といった文書にする。これをしっかりと実行するには、厳密な現状把握が要求されるはずです。非常に面倒で労力を要する作業ですが、手を抜かずにきっちりやるかやらないかによって品質マネジメントシステムの効果的な運営に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。

・・・とは言いつつも、品質クレームが発生すれば顧客から怒られ、作業手順書なるものがどんどん増えていきます。新しい文書が増えるということはそれだけ管理しなければならない(気を配らなければならない)ことが増えるということで、あまり望ましくないことだと考えます。

実際の作業面においてもやることがどんどん多くなり、最悪の場合には「そういう決まりがあることすら知らない・・・」という状況にもなりかねません。ですから、手順書は必要最小限にとどめ、今ある手順書を修正・追加したり、精度を上げたりするなどで対応できないかをまず検討することが大切だと思います。

品質方針や品質目標を掲示しているでしょうか。掲示板や壁に貼り付けたり、天井からぶら下げたりして、啓蒙活動の一環として唱和していることもあるでしょう。これらの掲示物も管理しなければならない文書であることがこの条項に定められています。 「4.2.3 文書管理」の要求事項に沿ってしっかりと管理しましょう。誰が管理しているかも分からずにずっと飾りっぱなしになっている・・・なんてことのないようにしましょう。

<格言>  ⇒格言募集中!
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