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◆ ISO 9001規格の概要説明

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4.1 一般要求事項

 組織は、この規格の要求事項に従って、品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、かつ、維持すること。また、その品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善すること。
 組織は、次の事項を実施すること。

a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にする。
b) これらのプロセスの順序及び相互関係を明確にする。
c) これらのプロセスの運用及び管理のいずれもが効果的であることを確実にするために必要な判断基準及び方法を明確にする。
d) これらのプロセスの運用及び監視の支援をするために必要な資源及び情報を利用できることを確実にする。
e) これらのプロセスを監視、測定及び分析する。
f) これらのプロセスについて、計画どおりの結果が得られるように、かつ、継続的改善を達成するために必要な処置をとる。

 組織は、これらのプロセスを、この規格の要求事項に従って運営管理すること。
 要求事項に対する製品の適合性に影響を与えるプロセスをアウトソースすることを組織が決めた場合には、組織はアウトソースしたプロセスに関して管理を確実にすること。アウトソースしたプロセスの管理について、組織の品質マネジメントシステムの中で明確にすること。

(参考1.)
品質マネジメントシステムに必要となるプロセスには、運営管理活動、資源の提供、製品実現及び測定にかかわるプロセスが含まれる。

(参考2.)
ここでいう、“アウトソース”とは、あるプロセス及びその管理を外部委託することである。“アウトソースしたプロセスを確実にする”とは、外部委託したプロセスが正しく管理されていることを確実にすることである。

1. 概論的な位置付け

この条項は規格全体の概論的な位置付けであり、その詳細はそれぞれの条項に記述されているので、品質マニュアルの作成を考えた場合には該当する条項を参照するという形で対応できるでしょう。この条項には、この規格を適用して品質マネジメントシステムを構築する組織への要求事項がa)〜f)に記述されています。

a)、b)では、

a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス、その組織への適用
b) そのプロセスの順序・相互関係

をはっきりさせることを要求していますが、これを実施するに当たって、

・ 組織のプロセスにはどのようなものがあるのか
・ そのプロセスへのインプットとアウトプットは何なのか
・ それぞれのプロセス、インプットとアウトプットのつながり、流れはどうなっているのか
・ 関連する文書(手順書・記録など)には何があるのか
・ 責任・権限はどうなっているのか

などをすべて洗い出して、それをフローに表してみるのはどうでしょうか。a)、b)を簡単に表すには「品質保証体系図」のようなものが使われるのが一般的ですが、もし、プロセスが整理されていないのであれば、その前にこのような洗い出し作業をするべきではないかと思います。この作業は手間と時間を要しますが、

・ 重複しているムダな作業
・ 誰がやるのかはっきりしていない作業
・ やらなければいけないのに実施していない作業

などが見つかるかもしれませんし、逆にこれをしっかりやっておかないと現実と体系図(ひいては品質マネジメントシステムそのもの)が乖離してしまう可能性もあります。自社の全プロセスを再認識するという意味でもやっておきたい準備作業の1つです。このとき、通常の流れとは違う例外的な作業がもしあるならばそれもピックアップしてください。それが果たして必要な作業なのか、通常の流れに組み込めないのか検討の余地があるからです。

プロセスとプロセスネットワーク
図 プロセスとプロセスネットワーク

c)は、製品実現プロセスでの製品の各段階における判断基準・方法だけでなく、品質マネジメントシステムそのもののPDCAサイクルの有効性の判断基準・方法の明確化も含まれます。これらの判断基準・方法は品質マニュアル、手順書・基準書などの該当する部分に記述しておけばよいでしょう。あるいは従業員が少人数であったり、力量の十分ある者を従事させている場合などは教育・訓練で対応できる場合もあるでしょう。

d)〜f)は省略します。

2. プロセスのアウトソースについて

プロセスのアウトソース(あるプロセスおよびその管理の外部委託)について、管理の方法を品質マネジメントシステムの中で明確にするように要求しています。品質マニュアルに記述する際には、この項に記述しても「7.4 購買」に記述しても構いません。

まず、アウトソースしているプロセスには何があるのかをはっきりさせます。上述したプロセスの洗い出しの過程で、外部委託しているプロセスについてもしっかりと抽出していれば問題はないはずです。

次に、そのプロセスをどのように管理すれば自社内で実施するのと同等の管理が維持されるかを考えます。プロセスをどのように管理するかの例を挙げると、

@ 個々のアウトソース先とプロセスの管理についての取交しをする。
 − 品質協定書の締結
 − アウトソース先にQC工程表を作らせるか、または自社のものを配付・適用

A アウトソースしたプロセスが決められたとおり実施されているか確認する。
 − 監査の実施
 − 検査データの確認

アウトソースしたプロセスからのアウトプット(製品・半製品、サービスなど)の受入検査、定期的なアウトソース先の評価だけではプロセスを管理しているとは言えません。

また、アウトソース(外部委託)しているからという理由でそのプロセスを適用除外することはできません。

3. 不適合・改善要望事例

不適合・改善要望事例規格要求事項
協力会社の監査を何を基準にして行っているか分からない。アウトソースしているプロセスの把握、及び製品の受入れ検証の方法・基準が分からない。 要求事項に対する製品の・・・の中で明確にすること。

★ヤッスー部長より一言★

自らの組織のすべてのプロセスを把握することは極めて重要です。プロセスを漏れなく洗い出すためには、その工程に精通した関係者にも参加してもらって細かく聞き出し、実際の状況を自分の目で確かめることが大切だと考えます。 “関係者と一緒に”というのが最も心がけたいところです。

ここをお粗末にするとISO事務局担当者の記憶と経験だけからでき上がった机上の空論的システムに陥ってしまい、そのシステムを使う側も誰かが作ったヘンテコなことをヤラセラレルという気持ちが強くなって機能しなくなってしまいます。

また、プロセスを洗い出すときには、「この部分は面倒だから品質マネジメントシステムから外したいなぁ」をやってはいけません。これは適用範囲内で品質マネジメントシステムに従わないプロセスがあるという完璧な不適合です。例外的な作業があっても包み隠さず洗い出しましよう。 面倒なことはありません。品質マネジメントシステムの中でオープンにし、公の作業として他のプロセスとどうつながるのかをしっかり確立すればより効率化され、流れがはっきりするはずです。これを怠っているからいつまで経っても陰に隠れた面倒な例外作業なのです。

<格言>  ⇒格言募集中!
・ プロセス把握は、全員参加の第一歩
・ 品質マネジメントシステムに陰を作るべからず

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