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8.5.3 予防処置

 組織は、起こり得る不適合が発生することを防止するために、その原因を除去する処置を決めること。予防処置は、起こり得る問題の影響に見合ったものであること。
 次の事項に関する要求事項を規定するために”文書化された手順”を確立すること。

a) 起こり得る不適合及びその原因の特定
b) 不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価
c) 必要な処置の決定及び実施
d) とった処置の結果の記録(4.2.4参照)
e) 予防処置において実施した活動のレビュー

(参考)
e)における”予防処置において実施した活動”とは、a)〜e)の一連の活動のことである。

1. あまり活用されていない!?

この条項は、言ってみれば未然防止に関する要求事項です。具体的には次のような項目が該当すると考えられます。

・ FMEA、FTA、QFDなどの手法
・ 他社やシステム外で発生した不具合事例の水平展開
・ 傾向値に対するアクション
・ 品質にかかわる改善
・ 安全で使うヒヤリ、ハット

FMEA(Failure Mode and Effects Analysis):故障モードと影響解析
不完全な設計に起因する問題を、故障モードの概念に基づいて明らかにするとともに、評価項目・基準(故障モードの発生頻度、影響度、検出容易性など)に基づき重要度を明らかに、使用者の視点で優先順位を明確にし、設計段階で使用時に発生するであろう問題を明らかにして解決する手法のこと。製品設計を対象に実施するFMEAを「設計のFMEA」、工程設計を対象に実施するFMEAを「工程のFMEA」と呼んでいる。故障モードとは、JIS Z 8115によれば「故障状態の形式による分類。例えば、断線、短絡、折損、磨耗特性の劣化など」がある。

FTA(Fault Tree Analysis):故障の木解析
信頼性、安全性の両面から見て、発生してほしくない事象に関し、論理記号を用いて、その発生の経過を遡って樹形図に展開し、発生経路、および発生原因、発生確率を解析する技法のこと。

QFD(Quality Function Deployment)
顧客の要求事項(肯定的/否定的を問わず、needs、wants、比較、総体的重要性、好き/嫌い、問題、示唆などについての声)を取込んで、それらを製品特性、部品特性、品質/プロセス管理要求事項に翻訳するように構造化した企画および意思決定手法のこと(マトリックス型のフォームを使用)。

実際には、データの分析(8.4)から系統的に抽出される仕組みの不備などにより、うまく機能していないケースが多いようで、8.4項とのつながりの再検討が必要です。

2. 予防処置を機能させるために

予防処置のプロセスをうまく機能させるためには、どのようにして予防処置の情報(ネタ)を探し出すのか、予防処置の情報(ネタ)を見つける仕組み(プロセス、システム)があることが大前提となってきます。

予防処置の情報(ネタ)には、例えば次のような項目が挙げられます。

・ 是正処置の情報
・ 不適合の情報
・ 製品の監視・測定の情報
・ プロセスの監視・測定の情報
・ 監査結果の情報
・ アウトソース、購買、供給者の品質に関する情報

ただし、これらの情報は得られればすぐに使えるというものではなく、ある一定期間にわたって収集・分析する必要があり、水平展開・横展開も含まれます。

3. 予防処置の流れ

責任者としての予防処置の流れ・ポイントは次を考慮するとよいでしょう。

1) 起こり得る(潜在的)不適合の特定

2) 原因の特定
   原因の調査・特定
   システム的な欠陥を考えること(人的要因に求めるのは不適切)

3) 予防処置案の策定と必要性の評価
   想定される問題の大きさに釣り合う程度

4) 予防処置の決定と実施

5) とった処置の記録

6) 活動のレビュー
   活動の有効性の評価・記録(フォローアップを含む)

4. 不適合・改善要望事例と考察

不適合・改善要望事例考察
印刷物のカールに対する加湿器の設置、印刷機における印刷工程と抜き工程の同期監視機器の増設、テープ検知センサーの取付けなど、設備投資によるこれらの行為は予防処置に該当すると思われますが、「予防処置要求書/報告書」が発行されていません。 これらの設備増強が予防処置に当たるとは考えていなかったこと、設備計画および購入に際しては経理上、「稟議書」を起票する取決めとなっていたことにより、「予防処置要求書/報告書」の発行にはつながらなかった。

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