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5.4.1 品質目標

 トップマネジメントは、組織内のそれぞれの部門及び階層で品質目標が設定されていることを確実にすること。その品質目標には、製品要求事項[7.1.a)参照]を満たすために必要なものがあれば含めること。品質目標は、その達成度が判定可能で、品質方針との整合性がとれていること。

1. 品質目標の設定

本条項では、品質目標の設定について規定されています。品質目標がしっかりと設定されているようにすることもトップマネジメントの責任です。

品質目標の一般的な設定の流れの一例を挙げます。

図 品質目標の一般的な設定の流れ
図 品質目標の一般的な設定の流れ

ただし、A部門とB部門が共通の品質目標を掲げる場合もあり得ますし、A部門の目標がそのままA1課、A2課の品質目標になるという場合もあり得ます(これは一例であり、組織や活動内容により異なります)。

ポイントは、

・ 各部門・階層で、活動内容や役割・責任に見合った品質目標が設定されていること
・ その品質目標には、品質方針(の意図するところ)が落とし込まれていること

です。

また、品質目標には、

「品質方針のブレークダウンから出てくる、部門・機能としての目標」

のほかに、

「個々の製品、プロジェクト固有の目標(7.1a))」

を含めることも可能です。これは言い換えれば、製品ごとの製造時の絶対要求事項(製品の特徴的な仕様・顧客指示)などの達成を品質目標にすることができるということです。

2. 品質目標は判定可能であること!

設定する品質目標への制約の1つに“その達成度が判定可能”というのがあります。“判定可能”(原語はmeasurable)とは、

「測定可能、または何らかの尺度でつかみどころがある」

ということです。可能な限り品質目標を定量化することで仕事が進みやすい(進み具合が分かりやすい)というメリットが生まれ、品質目標のスローガン化を回避することができます(デメリットは、遅れている場合もはっきりしてしまうということでしょうか・・・そんなネガティブなことを言ってはいけませんよ!)。

定量化が難しい場合であっても、ステップや状態などのように定性的ではあっても進み具合は評価できる内容としておくことがポイントです。

3. 品質目標を達成するために・・・

品質目標を達成するためにはそのプログラム(計画)が必要となります。ISO 14001の「4.3.3 目的、目標及び実施計画」の要求事項を横展開して、品質目標を設定する際には、

・ 達成手段・方法
・ 責任・権限
・ 日程

も決めるという手順を作っておきましょう。品質目標達成の基本的な手段・方法(段取り)は、

1) 現状把握
2) 要因・原因追求
3) 対応策検討
4) 対応策実施
5) 実施後の検証

です。これを基本として活動の手段・方法を立てて運用すれば効率的に達成活動を進められるのではないでしょうか。

また、品質目標の進捗状況の監視・測定をここに含めてしまっても構いません(もちろん、「8.2.3 プロセスの監視及び測定」でも構いません)。

ただし、最後にフタを開けてみて達成状況結果が初めて分かる、というのでは無管理そのものです。途中途中で達成状況を見て、必要な処置(アクション)がとれるようにしましょう。

4. 不適合・改善要望事例と考察

不適合・改善要望事例考察
「マスタープラン実施計画表(2005年度)」において2005年度の品質目標の計画を策定していますが、前年度(2004年度)の実績と反省に基づいて計画が策定されたことが確認できません。 前年度の目標に対する最終的な結果を評価する仕組みが確立しておらず、その結果を反映しない独立な目標設定がされていた。
「マスタープラン実施計画表」において、目標は明確になっていますが、目標値が不明確になっているものが多いです。 活動の方向性は決定しているが、それをどこまでやるのかゴールラインを決めておらず、したがって、達成度の管理も曖昧になっていた。
品質目標の達成に向けた展開活動の中で毎月の活動内容・結果を進捗管理表にまとめ上長へ報告していた。しかし、進捗管理表の品質目標項目がマスタープラン実施計画書と整合していない。 月々の進捗結果と翌月の活動方針を決める部門ミーティングにおいて、年間の目標計画書であるマスタープラン実施計画書が無視された形で話し合いがされていた。結果的に進捗内容とマスタープラン実施計画書が乖離してしまった。
品質目標の活動展開の状況を進捗管理表で確認したが、毎月の報告の中で、活動した結果、目標の達成状況の記述がなく、不明確であった。 品質目標に対する進捗の状況・結果ではなく、そのような結果に至った要因などの言い訳が並べられていることが多かった。

★ヤッスー部長より一言★

審査のときに審査員から品質目標について、

「品質目標のうち、現場(またはその部署)だけで達成できるというものは全体の15%しかない。残りの85%は何らかの形でマネジメントが関与しなければ達成できない目標だ。」

という話がありました。その現場や部署の力だけで達成できる目標というのは小さなもので、より大きな目標を達成していくためには関連する部門や部署、スタッフ部門、職制や経営層の力が必要になってくるということです。 「1本の矢は簡単に折れるが、3本束ねれば強くなって折れない」という昔からの言葉もありますが、部門や部署のセクショナリズムの壁を超えて結託して目標達成活動に取組める雰囲気、仕組み・体制づくりをしていきたいものです。

もう1つ、これは当方から審査員に投げかけてみた質問です。

「事務部門などのように定型業務を主務としている部署にとっての品質目標とは何か?」
「決められたことを決められたとおりすることを求められる部署にとって目標を掲げることは難しいのではないか?」

これに対する審査員の回答は、

「目標は、たとえ当たり前のことであっても実態が見えるように(あるいは具体的な目標値に)することが必要」

とのことでした。日常の業務を淡々と進めるような部署であってもその日常のことを維持して実行していくという目標を掲げて活動していくということでしょう。可能ならば、日常業務のやり方が今のままでいいのか、もっと効率化できないのか、事務処理手続きの間違いを削減できないのかなど、もう1歩踏み込んだ内容を品質目標として掲げて業務改善に結び付けられればベストですね。

<格言>  ⇒格言募集中!
・ みんなで協力し合って、より大きな品質目標を達成しよう!

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