再生資源リサイクル
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このサイトは、宮城における鉄屑をはじめとする各種再生資源リサイクルの実情や業界について、個人的にTipsとしてまとめたサイトです。

各種再生資源リサイクルをあちらこちらからがんばって収集・回収し、それをリサイクル問屋に売り払うことで収入を得て、生計を立てている方などに多少なりとも役立つことを主目的としています。

かなり前に再生資源リサイクル関係に勤めていた経験から得たことをTipsとしてまとめてあります。

ただし、個人的な過去の経験や独断・偏見が含まれているために、今この時点での実情にそぐわない点などがあることをご了承ください。

再生資源リサイクルに携わっている方々のお役に少しでも立つことができれば幸いです。

■ 鉄屑について ■

鉄屑・鉄スクラップは、量的に集まり、重量を稼ぐことのできる再生資源の1つだと思います。

金属を取り扱っている製造工場、鉄製資材会社、自動車工場、農家など、鉄屑の発生源はさまざまあり、ふと辺りを見渡すとあちらこちらに落ちていたり、置いてあるのを目にします。

鉄屑にはさまざまなものがあり、例えば、建築で使うH型鋼や足場パイプ、鉄製品工場から発生する切り抜き屑や切削屑、農家で使い古したハウスパイプ、自動車解体で出てくる自動車ボディ、スチール製ジュース缶など、たくさんあります。

普通の人が見ればただのゴミに見えてしまうようなこれらの鉄屑も、製鉄工場で精錬されると鉄製品に生まれ変わる再生資源であり、鉄屑の大きさや厚さなどの状態によってランク(検収品位)に分類されます。

ランクに分類されるということは、すなわち、「価値が違ってくる=単価が違ってくる」ということです。

そのランクというのは、原則として、鉄屑を再生資源リサイクル問屋から買い取って鉄製品に生まれ変わらせる製鉄工場の購入ランクに基づいており、例えば、HS、H2、H3、CP、新断などといったランクがあります(もちろん、製鉄会社や工場によってランクの呼び名や基準は変わります)。

鉄屑の中で高級屑の部類に入るのは、H型鋼を約1m以内に切断したもの(HS)や薄鉄板を切り抜いた残りカス(新断)などであり、単価的にも最も高いのですが、発生場所が限られるなどにより回収は非常に難しいです。

H2は標準的なランクの鉄屑で、「鉄屑」というとこの「H2」を指していることがけっこうあります。

H2はイメージとして、自動車のボディー程度の厚さのものやそれより厚手のもの、薄手のもの、鉄筋などが長さ1m以内で切断された状態で混在しているような鉄屑と言ったらいいでしょうか。

ほとんどのケースとして、再生資源リサイクル問屋では、HSはHS、新断は新断として各々山にしておき、その他の鉄屑は一緒くたにして山にし、これをH2と称しています。

もちろん、H2より下のランク(トタンなど薄手の鉄板やサビのひどいものなどは、ランクが落ちます)の鉄屑もあるので、このH2の山を製鉄工場に納品したときにすべてをH2として購入してもらえることはまずありません。

ランクと相場単価の基準は、東京製鐵購買ホームページを開くと「鉄スクラップ情報」として「規格表」と「最新価格表」にそれぞれ掲載されており、これが日本国内の鉄屑ランクと相場単価の指標となりますので、随時、確認していただければと思います。

再生資源リサイクル問屋には、「ギロ」というランクがありますが、これはある基準以上の長さがある鉄屑のことをいいます。

製鉄工場では、1mなど受入長さの基準があって、それより長い鉄屑は受け取らないため、再生資源リサイクル問屋ではその長さの基準に合うように切断しています。

ギロは切断してからの納品となるため、切断代としていくらか単価を安くしている場合が多いです。

「ギロ」という呼び名は、鉄屑の切断機による切断の様子がまるでギロチン切りに似ているところからきているようです。

鉄製ジュース缶・スチール缶は、比較的回収しやすい鉄屑ですが、重量を稼ぐのはなかなか難しいかもしれないですね。

「缶の中に何かを詰めれば重量を稼げるかな?」と思う方もいるかもしれませんが、世の中そんなに甘くはないですよ。

再生資源リサイクル問屋はそんな経験も豊富で、すぐに見抜いてしまいますから、そんなせこいマネをして出入禁止にならないように気をつけてくださいね。

再生資源リサイクル問屋によって鉄屑のランク(検収)は違うことがありますが、これは各社考え方や取引先、検収員の見方が違うのでやむを得ないことです。

とくに、検収員ごとに検収結果が異なることでトラブルが生じる場合がありますが、どうしても目で見ての判断となるため、まったく同一にするのはなかなか難しいです。

これは製鉄工場でも同じことで、やはり、検収員によって検収が違うというケースはよくありますが、これにケチをつけても何の得もしないので、うま〜く口添えして少し色をつけてもらうぐらいの対応が必要かと思います。

まぁ、パワーでねじ伏せられているような気がしないでもないんですけどね。

あと、土やコンクリート、プラスチックなどが付着している鉄屑は、ダストとして重量引き(重量は目視で算出)されますし、あまりにも付着量がある場合には受け取ってもらえないこともありますので、ご注意ください。

コンクリート電柱に使用されているピアノ線や複雑に絡まった鉄筋も、後処理が厄介で手間が大変かかるのでかなり嫌われます。

鉄屑の相場単価は原油の相場と相関がありそうだという考察が2008年のリーマンショック後に出されたようですが、相場グラフを見てみると似たような推移をしており、原油相場の動向を見れば鉄屑相場の動きを想像することはできるかもしれません。

鉄屑は国内で消費されている分と海外で消費(輸出)されている分とあり、その取り合いや鉄屑自体の需給状況、鉄製品の需給状況によっても単価相場が動きますので、それらの情報を得ておくと相場の動きが多少は読めるかもしれないですね。

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