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◆ ISO 9001規格の概要説明

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7.5.3 識別及びトレーサビリティ

 必要な場合には、組織は、製品実現の全過程において適切な手段で製品を識別すること。
 組織は、監視及び測定の要求事項に関連して、製品の状態を識別すること。
 トレーサビリティが要求事項となっている場合には、組織は、製品について固有の識別を管理し、記録すること(4.2.4参照)。

(参考)
ある産業分野では、構成管理が識別及びトレーサビリティを維持する手段である。

1. 5S活動の一環としても進められる製品の識別

製品の識別不良が工程内不適合品の発生要因となることがしばしばあります。不合格品や保留品に対して何も識別・表示されていなかったために合格品として扱われてしまい、顧客クレームに・・・ということは当方でもこれまでに何度も経験していることです。

このような不適合をなくすためにも必要に応じた製品の識別(タグ、看板など)を行うことは必要不可欠です。しかも、可能な限り、「現物」を見れば容易にその違いが分かる、いわゆる「目で見て分かる管理」が重要なポイントとなります。5S活動を推進している組織も多いと思いますが、その中の「整理」「整頓」の一環として実施するのも効果的な方法の1つと考えられます。

規格上、とくに文書化の要求はありませんが、少なくとも現場でのルール化(例えば、ボルトの規格サイズごとの整理と表示)をしておくことで、標準化と推進力の強化が図れるでしょう。

識別すべき対象の例としては、

・ 類似(酷似)した異なる製品同士(紛らわしい製品同士)
・ 工程の進み具合が違う同一製品同士(検査前・中・後、合格・不合格などの各状態)
・ ロットが違う同じ製品同士/バージョンが違う同じ製品同士
・ 顧客支給品(顧客の所有物)
・ クレーム返品

などが挙げられるでしょう。

2. トレーサビリティは障害保険みたいなもの!?

トレーサビリティというとよく「ロット管理規定」などによってロット番号の付け方、管理方法などが規定され、整理されていますが、

・ そもそもトレーサビリティは何のためにやるのか
・ どうすることが(何を示すことが)顧客に対する保証となるのか
・ どのような追跡システムになっているのか

といった根本的な考え方、原則がはっきりしていないケースが多々あるようです。

トレーサビリティに要求される要素は、

・ 「現物」の識別
・ 情報の記録
・ 検索容易性

です。

トレーサビリティが登場するのは主に問題が発生した場合であり、今までの経験から考えてみますと、

・ 製造日、製造ロット番号などの製造情報
・ 製造工程の履歴、作業担当者とそのときの状況
・ 各段階における検査の結果・記録

などの情報から、

・ 製造工程中に異常の兆候はなかったか
・ 通常と工程や作業担当者が異なっていなかったか
・ 気づいた点は逃さずに記録し、上長に報告したか

といったことの報告を短時間で行うことが要求されます。

トレーサビリティはリスク管理と言うことができます。顧客クレームでなくとも万が一の場合を想定して問題点を遡ることができる仕組みを整備しておくことは体質強化にもつながるはずです。

もし、トレーサビリティの管理がイマイチである場合には、過去に発生した重大なクレームに対してどのような追跡調査が要求されたかを調べてフロー化し、必要な手順・記録、役割・責任を明確にしておくとよいでしょう。

また、トレーサビリティが顧客あるいは法的要求事項である場合は、どのようなトレーサビリティが必要となるかを検討しておきましょう。とくに記録の保管期間は重要な管理項目となります。経験的には、通常は3年間の保管、医薬関連では薬事法との関係もあって5年間の保管が要求されているようです。

3. 不適合・改善要望事例と考察

不適合・改善要望事例考察
シール印刷用抜型の保管場所で商品コードが表示されないまま、保管されている抜型が散見された。 必要な場合には、・・・、製品の状態を識別すること。

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