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4.5.1 監視及び測定

 組織は、著しい環境影響を与える可能性のある運用のかぎ(鍵)となる特性を定常的に監視及び測定するための手順を確立し、実施し、維持すること。この手順には、パフォーマンス、適用可能な運用管理、並びに組織の環境目的及び目標との適合を監視するための情報の文書化を含めること。

 組織は、校正された又は検証された監視及び測定機器が使用され、維持されていることを確実にし、また、これに伴う記録を保持すること。

1. かぎ(鍵)となる特性の監視・測定

著しい環境影響を与える可能性のある運用・活動のかぎ(鍵)となる特性を、定常的に監視し、測定するための手順を確立し、実施および維持することを要求しています。

監視:
ある期間にわたって連続的にあるいは断続的に観察したり見張ること。

測定:
何かの値を計って知ること。

運用のかぎ(鍵):
どのようにして自らの著しい環境側面を管理し、目的・目標を達成し、環境パフォーマンスを改善するかを組織が決める上で配慮が必要な特徴。

著しい環境影響を与える可能性のある運用は「4.4.6 運用管理」で特定されているはずですから、それらのかぎ(鍵)となる特性を監視・測定する手順を準備します。監視・測定の対象となる項目としては次のようなものが挙げられます。

・ 著しい環境側面に対する運用手順の運用基準に基づく日常的な監視・測定
・ 排出口や排水口における法規制などで義務付けられた監視・測定
・ 目的・目標達成のための手段・方法を実施するために必要な監視・測定(現状把握)
・ 目的・目標の達成度の監視・測定

これらの監視・測定の結果が環境パフォーマンス、関連する運用管理、環境目的・目標との適合、達成および順守状況を実証するために、どの結果がどのように使われているのかというつながりが分かるような追跡情報を含む記録を残しておかなければなりません。

2. 監視・測定機器の校正・検証

定めた手順に従って監視・測定をする際に監視・測定機器を使用する場合、監視・測定機器は正しく正確に使用できるように校正または検証され、その校正(検証)結果の記録を保持する手順を準備しておかなければなりません。その記録には、次のような項目を含めるようにしておくとよいでしょう。

・ 使用する標準器
・ 校正(検証)する環境的条件(例えば、温湿度、照明など)
・ 校正(検証)頻度、公差
・ 校正(検証)の実施にかかわる資格認定
・ 合否判定基準
・ 校正(検証)前後の実測値
・ 校正(検証)異常の場合の処置対応

検証は、監視・測定機器が妥当な精度を維持するための手段として校正以外に含められたものです。正式な校正以外に別の方法で監視・測定機器の要求事項を満足していることを確認できるものとして検証も含められたと思われます。校正が必要か、それとも検証で大丈夫なのかは、その監視・測定機器に求められる精度、結果に対する保証の要否といった要求事項によって判断すればよいと考えます。

外部から監視・測定機器を借りる場合は、それが校正されていることを確認するために校正認定証などを受取るような取決めにしたほうがよいです。校正を外部に委託する場合も同様で、外部委託であろうとも校正されていることを自ら確認する手順にしておきましょう。

3. 質問と回答

質問内容 回答
監視・測定機器の検証とは、具体的にどのような方法がありますか? EMSで用いられる監視・測定機器の精度維持方法として、“校正”または“検証”があります。EMSで用いられる監視・測定機器の場合、厳密に定義されている“校正”に該当しない精度維持方法も実施されており、それらを“検証”という用語で表現していると考えられます。
したがって、信頼できる方法で監視・測定機器の要求事項を満足していることを確認できていればよいと解釈できます。
監視・測定機器の校正、検証に関し、どの程度の記録を残すべきですか? 当該目的に見合った精度が維持されていることを確認できる記録が必要です。

4. 関連サイト・書籍など

5. 不適合・改善要望事例と考察

不適合・改善要望事例考察
水質調査におけるn-Hexの測定値は(単位:mg/l)、
  '02.11月/8 '04.2月/18 '04.12月/27 '05.10月/32
と上昇傾向を示していた。法順守の定期的評価をする中で、この上昇傾向に着目し、その原因を究明していれば、この基準値オーバーを防止できたかもしれない。これは、'05.7月の新しい印刷機を導入する前の事象なので、この上昇傾向についての調査が望まれる。
水質の測定結果をグラフなどにしてプロットしておけば上昇傾向がつかめたのだが、測定することおよび結果を受領することで満足してしまい、その分析までは及んでいなかった。
下水道法に基づく水質調査を外部委託によって行っているが、その測定結果データに対する当社としての取扱い・判断がされていない。 水質調査をすること、結果データを受領することが目的化してしまい、その分析にまでは考えが及んでいなかった。
9月度と10月度の進捗管理表を見るとその目標欄の記入内容が異なっており、また、マスタープラン実施計画表と整合していない記載がある。目標を途中で変更した場合には「目的・目標管理シート」および「マスタープラン実施計画表」の改訂が望まれる。 月次の進捗管理表が一人歩きしてしまい、もとの目的・目標が置き去りにされてしまっている。
目的・目標の達成度の監視・測定において、下記についての改善が望まれる。
@月次の進捗管理は部門ごとに進捗管理表への記入と経営会議での報告で実施されているが、全体としての達成状況が把握できない。
A部門ごとの進捗管理表においてもその時点での“目標に対する”“達成状況”の記載のないものが多く見受けられる。
今までは環境目的・目標を達成度も含めて全体的に見てみるという考えがなかった。目標が曖昧、あるいは監視・測定項目が異なっているため、達成度を明確に出せない。
目的・目標の進捗状況の報告では、グラフなどを活用し、一目で分かるような資料作りが重要。この資料作りでは経営会議で配付することを前提として内容は網羅的であること(後から読んでもだいたい理解できる内容)。 進捗管理表は基本的には活字での報告となり、時系列的な推移を見るためにはやはりグラフなどの活用が不可欠であり、また、目に訴える有効な手段でもある。
目的・目標達成活動の結果、“成功した”“実績が出た”事例に対しては、
・なぜうまくいったのか?
・どのような工夫をしたのか?
といった部分の報告、情報の共有化はたいへん重要で、他部門にとっても参考となるはず(QCサークル活動の考え方で水平展開)。
一般的に、うまくいった成功事例は素通りして、悪い部分だけがクローズアップされがちだが、成功事例にこそ水平展開すべき重要なポイントが埋もれている場合があり、上手に活用していくことがとても大切。
EMPの活動結果を月次「進捗管理表」で報告し、部門長の指示・指導を受けていた。しかし、目標に対する達成可否の記載が不明確(月次または累計)となっており、実施結果の効果が見えない。 目標立てがあいまい(数値化されていない、テーマが見えない、そもそも目標にする内容ではない)であるため、結果的に進捗管理の内容もあいまいになり、達成したかどうかの記述ができない。
環境法規制等監視測定チェック表で下水のBOD、pH等の測定を未測定としています。特殊設備を有しているので、特定事業所になり下水の定期的な測定が必要になります。 EMS構築当初に1度だけ下水の水質調査を実施したが、以降は測定頻度の未決定、費用の問題から実施していなかった。測定頻度は法的に定められており、条例でも詳細定めることになっているが、実際には定められていないという事実もある。
2003年9月に印刷機を1台更新していますが、騒音・振動規制法に基づく届出が未実施です(役所に相談した上で、届出準備中であることは確認しました)。 騒音・振動規制法で特定施設となっている印刷機等の届出が数年来実施しておらず、審査前に届出の予定を立てていたが、担当者の多忙や審査前の印刷機入れ替え等により頓挫してしまった。
法遵守状況の監視・測定をチェック表で3か月ごとに実施され、定期的評価は6か月ごとに実施されていますが、後者については評価コメントの記録がなく、どのように評価したのか分かりません。 不遵守に対するコメントは書いていたが、遵守についてはどうして遵守していると評価したか(追跡記録、チェック時の状況など)を記録せず、“遵守”とだけ記録していた。評価の意味を理解していなかった。
2003年目的・目標管理シートで、用紙予備率3%削減を第一の目標として活動されています。その月ごとの実績データは実績としての予備率(70〜80%)を管理しており、目標の3%との整合が確認できません。分かりやすい指標とされることをお勧めします。 EMPの実績として、結果として目標に対する達成可否が明確に表現されておらず、また、目標である数値の単位と実績としての数値の単位が違った表現となっており、これも達成可否を不明確にしている。
「環境法規制等監視測定チェック表」に基づいてのチェックをISO事務局が実施するとのことですが、そのことがマニュアルでは明確でありません。 各事業所で定めて主管責任者がチェックを実施すると決めてあるが、実際にはISO事務局が代理で実施していた。
異品種混入の削減を目的・目標にして活動を実施していますが、「部門EMP進捗管理カード」で目標50%削減に対する進捗管理を実施していることが確認できません。 グループ内の進捗状況が数値で把握されていないので、目標値を50%に設定してもその目標に対する進捗状況を表現することができない。
「廃液10%削減」を目標に活動していますが、「部門EMP進捗管理カード」の10月度では、その10%削減に対する進捗度合いを示す具体的な記述が見当たりません。 (上記内容と同)
分離層について、日常管理のチェック項目が確認できません。 分離層は月次清掃として専門業者に委託しているが、その清掃以外に担当部門としての日常的なチェックが行なわれていなかった。
「環境法規制に基づく監視・測定のためのチェック表」が確認できません。 マニュアルではチェック表を使用して監視・測定を実施する定めているが、そのチェック表の様式を作成していなかった。
マニュアルで定めた「環境法規制登録台帳 兼 遵守評価表」への主管責任者及び頻度の登録が確認できません。 主管責任者と監視・測定の頻度を登録するということはマニュアルで定めたが、審査時点では主管責任者と頻度が決まっていなかったため登録できなかった。
騒音について、日常監視チェック表で監視していますが、騒音苦情防止に有効なのか疑問です。

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