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4.4.3 コミュニケーション

 組織は、環境側面及び環境マネジメントシステムに関して次の事項にかかわる手順を確立し、実施し、維持すること。

a) 組織の種々の階層及び部門間での内部コミュニケーション
b) 外部の利害関係者からの関連するコミュニケーションについて受け付け、文書化し、対応する。

 組織は、著しい環境側面について外部コミュニケーションを行うかどうかを決定し、その決定を文書化すること。外部コミュニケーションを行うと決定した場合は、この外部コミュニケーションの方法を確立し、実施すること。

1. コミュニケーションの種類と目的

コミュニケーションの種類は大まかに「内部コミュニケーション」と「外部コミュニケーション」の2つに分けられます。また、「外部コミュニケーション」は外部⇒組織(クレーム、問い合わせ、要望など)、組織⇒外部(著しい環境側面についての情報など)といったように双方向であることが求められています。

コミュニケーションの目的としては、

1) 環境に関する経営層の約束を示す。
2) 組織の活動、製品およびサービスの環境側面についての関心事、質問に対処する。
3) 組織の環境方針、目的・目標および実施計画についての自覚を高める。
4) 内外の利害関係者に組織の環境マネジメントシステムおよびパフォーマンスについて、適宜通知する。

といった項目が挙げられます。とくに4)については、あらゆる分野において情報公開の重要性と必要性が叫ばれていますが、環境においてもマネジメントリスクの低減(とくに事故・緊急時)の手段としての重要性が増してきています。

2. 内部コミュニケーション

組織内の環境方針、目的・目標などの自覚の高揚、環境側面(環境影響)の認識、環境に関する改善提案、環境マネジメントシステムに関する啓発、システム運用上の問題と課題の協議などを目的としてコミュニケーションを行います。規格の中で「組織の種々の階層及び部門間での・・・」とありますから、内部コミュニケーションは「トップダウン+ボトムアップ」および「横断的+個別的」でなければなりません。

方法としてはホウ・レン・ソウの他に、提案・申請、掲示・掲載、通達、訓辞、朝礼、面談・懇談、教育訓練、社内メール、社内放送、発表・会議、打ち合わせ、職場巡回(環境パトロール)、サークル活動などが考えられます。これらの内部コミュニケーションの内容は記録に残しておくというルール決めをして運用しておくと、何か問題が発生した場合などの情報源にすることができますし、審査員に対する印象もよくなります。

3. 外部とのコミュニケーション

「外部の利害関係者からの関連するコミュニケーション」には、行政からの通知・通達、指導・勧告、立ち入り・監督、地域住民などからの苦情・申し立て・要望、地域との共同作業(緑化運動など)、組合・業界団体からの連絡・報告など、多岐にわたるさまざまな利害関係者との環境情報のやり取りがあり得ます。

外部からの情報は「受付け、文書化し及び対応する」こととなっていますので、いつ・どこから・どのような情報が来たのかを記録し、必要に応じて対応することが要求されています。とくに、法的およびその他の要求事項にかかわる情報や地域住民からの苦情などには迅速な対応が要求されます。

ある審査員によれば、環境に関係がありそうだなと思われる情報はすべて外部コミュニケーションにかかわるとのことなので、いかに漏れなく情報をストックできる仕組みを作るかがカギとなるそうです。

「組織から利害関係者へ向けてのコミュニケーション」では、2004年版改訂に伴って内容が一部変更されています。

1996年版:
著しい環境側面に関する情報発信のための方法を検討し、検討結果を記録し、関係する利害関係者へ情報を発信する。

2004年版:
著しい環境側面に関する情報を発信するかどうか検討・決定し、その検討結果を文書化しておき、発信すると決定した情報については発信方法を検討した上で発信する。

著しい環境側面に関する外部コミュニケーションを行うかどうか組織が決定できるという点で柔軟性が増したと言えるでしょう。情報発信の方法を確立する際には次の項目を考慮するとよいでしょう。

・ 発信担当者・部署(誰が)
・ 発信対象となる利害関係者(誰に対して)
・ 発信日(いつ)
・ 発信情報・内容(何を)
・ 発信手段・方法(どんなルートで、どのように伝えるか)

また、外部コミュニケーションの方法としては、

・ 事故・緊急時の公的機関への通報・届出
・ 年次報告書・環境報告書
・ ニュースレター・パンフレット
・ 新聞・雑誌の広告・広報
・ ウェブサイト
・ 工場見学・査察の受入れ
・ 地域での会合

などが考えられます。

「1. コミュニケーションの種類と目的」でも述べましたが、こうした情報の公開が遅れたり怠ったりすれば、組織の信用問題にかかわり、致命傷になることもあり得るということを考えると、ある意味ではリスク軽減対策(リスクマネジメント)にもつながります。昨今の企業の不祥事の大半がコミュニケーションを怠ったことにより重大性を増していることから、今後、企業が力を入れなければならない最重要項目の1つと言えるでしょう。

内部・外部コミュニケーション

4. 質問と回答

5. 関連サイト・書籍など

6. 不適合・改善要望事例と考察

不適合・改善要望事例考察
前回審査以降に13件の外部コミュニケーションを受け、記録されている。しかし、消防署の立会検査時の指導(2008/1/30)については、「環境情報受付書」は起票されていなかった。環境苦情や行政指導などについて、「環境情報受付書」と「是正処置報告書」の対応手順、起票手続きに改善の余地がある。 周辺住民等からの環境苦情、行政・消防署等からの指導等について受付けた場合、「環境情報受付書」に記録を残し、必要に応じて是正処置対応を行う手順とし、環境マニュアルに規定し、実施する。
××インキ株ュ行の文書は外部コミュニケーションの記録ですが、マニュアルでは部門が受付ける手順が抜けています(環境マニュアル)。 外部からの環境関連情報の受付けは各事業所の総務部門が実施すると定めていたが、製造部門が業者などから環境関連情報を受付けた場合の外部情報の取扱いを考慮していなかった。
騒音苦情を受けて、「環境情報連絡書」が作成されていますが、××部門ではその連絡書が確認できません。 外部情報を受付けた総務部門が「環境情報連絡書」を作成することになっているが、その連絡書を関連部門に配付するという手順が抜けていた。

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