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8.2.1 顧客満足

 組織は、品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況の測定の1つとして、顧客要求事項を満足しているかどうかに関して顧客がどのように受け止めているかについての情報を監視すること。この情報の入手及び使用の方法を決めること。

1. 「顧客満足」とは?

「8.2.1 顧客満足」は2000年版で新たに加えられた要求事項で、品質マネジメントの8原則の「1. 顧客重視」とも密接に関係していますが、効果的な具体化は非常に難しいと思われます。

顧客満足(customer satisfaction):
顧客の要求事項が満たされている程度に関する顧客の受けとめ方

(参考1.)
顧客の苦情は、顧客満足が低いことの一般的な指標であるが、顧客の苦情がないことが必ずしも顧客満足度が高いことを意味するわけではない。

(参考2.)
顧客要求事項が顧客と合意され、満たされている場合でも、それが必ずしも顧客満足度が高いことを保証するものではない。

とISO 9000:2000で定義され、顧客要求事項を必要最小限度ぴったり満たしたところが満足の原点となっており、決して顧客が喜ぶことを際限なく追求することが目的ではありません。

2. 顧客満足の情報の活用

顧客がどのように受けとめているかについての情報を顧客から直接的に(積極的に)入手している企業はそれほど多くはないのではないかと思いますが、この種の情報としては例えば、

・ 顧客からの年度品質方針の展開または品質目標の提示
・ 顧客満足度アンケート
・ 市場調査
・ 社内で顧客と直接接点のある部署(例えば、営業)からのヒアリング

などが考えられます。品質マネジメントシステムとしては、これらの情報の入手とその後の加工、評価をどのように行うかについて手順を決定しておく必要があります。この手順に関して、要求事項ではありませんが文書化しておくのが望ましいと考えます。

顧客満足度を評価するためには、これらの情報を加工する上で指標化が必要になると考えられます。その指標化の例としては次のようなものが挙げられるでしょう。

・ 顧客クレーム(発生件数、重大度による重み付け、処置対応件数など)
・ 顧客からの目標達成率、協力度の評価
・ 製品の性能、耐久性
・ 不具合時の対応状況(率、時間)
・ 再購入率(リピート率)
・ 故障率

3. 顧客満足の情報をより積極的に活用するために

まず、企業にとって顧客満足度は何のために必要かを考えてみますと、最終的にはその企業の社会的存在価値を認めてもらい、顧客のニーズを充足し、ニーズを開拓することにより、顧客とともに企業のさらなる発展につなげるために必要と考えられます。 積極的にこの要求事項を活用し、適切な指標を検討・開発しながら運用していくことで企業の差別化、新たなニーズを見出す機会が得られるかもしれません。

また、不満足の解消がそのまま満足の工場につながるとは限りません。例えば、「顧客クレームの削減」を顧客満足の指標としている企業は多いと思いますが、当面はそれでよくとも次のステップとしては「満足」に目を向けていくことが「企業の差別化」にもつながっていくものと考えます。

実際問題として、顧客満足は顧客に聞いてみないと本当のところはよく分かりません。顧客の感情的な部分も含めた満足の状態を一番よく把握している(肌で感じている)のは営業などの顧客に直接接する人たちだと思います。このような人たちが持っている情報(とくに顧客から喜ばれた事例)をいかにして吸い上げるか、そして、それらを分析・評価して標準化あるいは目標設定できるかが企業の明暗を分ける1つのカギになるのではないかと考えます。

4. 不適合・改善要望事例と考察

不適合・改善要望事例考察
顧客満足度調査としてアンケートを実施すると品質マニュアルに規定していますが、2002年10月以降実施しておらず、今後、どのような頻度で行うのか明確にされていません。 担当部門において、顧客満足度アンケート調査を具体的にどう進めていくか、検討されていなかった。また、内部監査においてもチェック項目から漏れていた。
顧客満足度の調査に“営業行動計画”を用い、ヒアリングでアンケートをとっていましたが、その結果として分析がなく、また、行動計画にも反映されていませんでした。 顧客満足度アンケートを実施することが目的となってしまい、その集約・分析、行動への反映までの動きにはつながっていかなかった。
顧客からの評価をヒアリングおよびアンケートにより把握するシステムができているが、その実施が不規則のため、顧客満足度向上の取組みが一部不明確となっている。 アンケートにしてもヒアリングにしても実施の標準化がされておらず、実施はしたものの回収率が悪いなどで集計・分析にまでは至っていない。実施および回収、集計・分析までの取決めをはっきりさせよとの助言。

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